中国の闇と光
2019年09月05日
『中国をつくった12人の悪党たち』石平著
久しぶりの人物伝で楽しかった。
この書には12人の悪党として中国人が登場する。
1、蘇秦(そしん)・・・春秋戦国時代(木現在5世紀半ば~221年)、秦・魏・韓・趙・楚・斎・嚥の7国が並立し
た時代、秦を除く6か国をまとめ上げて秦に対抗する連合軍を作った。これだけでは英雄
だが蘇秦の悪党たる所以は、まず最初に秦にプレゼンをしたことである。つまり、彼に
は政治的なイデオロギーなどはなく、ただ単に出世ができればよかった。そのためには
手段や常識、哲学も方針もない。
2、李斯(りし)と趙高(ちょうこう)・・・彼らはともに秦の始皇帝亡き後に秦を牛耳った総理大臣。李斯は、
始皇帝存命の時から始皇帝を補佐して秦以外の6か国を滅ぼすために、賄賂を駆使して
悪政を敷いた。趙高は宦官の出で、始皇帝の後継者を担ぎ上げて政治を裏から動かして
庶民を苦しませるような世を作った。
3、項羽(こうう)と劉邦(りゅうほう)・・・かの有名な秦時代の戦士。話では項羽は楚の貴族で勇猛果敢な戦
士で、私も中国のドラマではこの項羽に強く魅かれたが、農民で武術が強いでもなく、
ただ悪知恵が働く劉邦が最後には勝利する。
4、王棗(おうそう)・・・前漢と後漢の間(紀元8年から15年間)、「新」という時代を作ったのが、この王棗
である。王様を看病することでついに自分が王様になったという、偽善者と言われてい
る。
5、曹操(そうそう)と孔明(こうめい)・・・ご存知「三国志」に登場する宿敵。曹操はわかるとして、なぜに
孔明が悪党かというと、劉備玄徳亡きあと、魏を滅ぼすために出征するわけだが、これ
は始めから無謀な戦であった。当時の兵力は義軍100万に対し蜀軍は10万程度だったら
しく、これは孔明自身も分かっていた。本来ならば蜀に留まり国を豊かにすることこそ
宰相たるものの役割だったものを、あまりに国主に忠実なため、出征したことが悪党と
して扱われることになったらしい。
(つづく)
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